作曲教科書④(和音編Ⅰ)

度数について

ここではまずコードを勉強する上で欠かせない『度数』を学ぼう。
度数とは何かというと、音と音の高さの差を指すもので、音程を測る基本単位である。同音を1度とし、ひとつ距離が離れるごとに度数が増していく。


  • ドとレは2度
    ドとミは3度

このように度数を1度ずつ増していくと、8度で同じ音名に戻るが、これは同音ではなく、8度のことをオクターヴと呼ぶ。
度数の例を下に図示する。

図6. 度数.PNG

度数は、図に示した通りになるので、楽譜の線と間を単位とすると考えてもかまわない。同じ線の上、または、同じ線の間に書かれた音符は同音、つまり1度である。

先ほど示した図では、作曲教科書③(楽譜の読み方編)で学んだ臨時記号(シャープなど)が付けられていないものを考えたが、臨時記号がついていても楽譜上で同じ線の上、または同じ線の間に書かれた音符は1度である。

図6.2.PNG

音程の種類(完全、長、短、増、減音程)

先ほど、臨時記号がついた場合も度数が変わらないことを説明したが、明らかに音程は異なるので、度数とは違う名称を用いて音程の違いを示す。
タイトルの通り、音程は、

『完全音程』
『長音程』
『短音程』
『増音程』
『減音程』

の5種類に分類することができる。
以下にその詳細を示していく。便宜的な表記もあるので、ひととおり覚えた後は、この項の最後のコラムも読んでみたら便利。

完全音程

完全音程に含まれる音程は、1度、4度、5度、8度であり、これらは完全1度、完全4度、完全5度、完全8度と呼ばれる。下の図で示しているのはすべてドから始まっているが、音程の幅さえ同じであれば、どこから始めても、同じく完全音程であるといえる。

図7.1 完全音程.PNG

長音程と短音程

長音程と短音程はセットで覚えるのがよい。
長、短音程に含まれるのは、2度、3度、6度、7度である。

図7.2 長音程.PNG図7.3 短音程.PNG

長音程と短音程は、ちょうど半音分、音の隔たりがあるかどうかで区別される。長音程は半音分隔たりが大きく、短音程はその逆である。ミとファの間、シとドの間がそれぞれ半音であることに留意しつつ図を見ることで理解してほしい。

増音程と減音程

増音程は、完全音程及び長音程にさらに半音分の隔たりの加えたものを指す。

増音程=完全音程+半音
増音程=長音程+半音

と考えるとわかりやすいだろう。減音程は、増音程とは逆に、完全音程及び短音程から半音分の隔たりを減じたものになる。つまりは、

減音程=完全音程-半音
減音程=短音程-半音

といえる。

図7.4 増音程.PNG図7.5 減音程.PNG

ここで、増1度、特にフラットがついたときに注意してほしい。フラットがつくと減1度と勘違いしがちだが、度数は音程の差であるから、完全1度に対してシャープがついた場合もフラットがついた場合も半音差であるため、増1度である。

まとめ

  • 音程は、完全音程、長音程、短音程、増音程、減音程に分けられる。
  • 完全音程に半音の増減があれば、増音程、減音程になる。
  • 同様に長音程に半音の増加、短音程に半音の減少があれば増音程、短音程がそれぞれできる。


コラム

完全5度=7半音という考えの誤り

今回、本文では具体的な音程の幅を示すために、音程のそれぞれが半音いくつ分であるかを付記したが、この考え方は音楽的には間違っていることを知っておいてほしい。
音程というのはそもそも半音がいくつ、全音がいくつあるから何度、なのではなく、5度は5度、4度は4度である。半音、全音は関係なく成立するものである。

音の高さは、振動数によって決定され、音程は、振動数の比率によって決定される。

まず、ひとつ音があるとする。その音の振動数を2倍にすると、それは元の音と1オクターヴ(完全8度)の関係になる。すなわち、1オクターヴとは、半音12個分ではなく、音の振動数の比が、1:2になる音程のことなのである。
ほかの音程はどのような振動数の比を持つのか、少し考えてみよう。
1:1は当然ながら同音、完全1度である。
2:3は完全5度
3:4は完全4度。
4:5は長3度
5:6は短3度
3:5は長6度
5:8は短6度
8:9及び9:10は長2度
15:16は短2度
8:15は長7度
9:16は短7度。
他にも様々なものが存在するが、ここでは振動数の比の考え方のみを理解してもらえれば充分なので割愛する。興味があれば各自調べてみてほしい。

ここで紹介したように、音程は最初におおもとの音があって他の音とおおもとの音との関係を示すものであり、全音や半音ありきということではない。本文で書かれている『半音いくつ分』という考え方は、わかりやすくするために便宜上書かれたものなので、そこを理解しておいてほしい。なお、音の振動数の比が簡単な整数比であるほど、響きは純粋になり、協和しやすくなる。
執筆者:いちのせ つよし








  • 最終更新:2014-07-12 20:16:29

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